年に数回、特に冬の一番寒い時期に数回滝行をしています。今冬も既に普段お邪魔している夕日の滝で2回、日光の滝で1回滝行をしてきましたが、今回は湘南修験の会が冬の一番寒い時期に北軽井沢の滝で滝行ツアーをするという事で参加してきました。
北軽井沢の浅間大滝
訪問したのは群馬県と長野県の県境の北軽井沢に有る浅間大滝です。夏の行楽シーズンには格好の納涼スポットになっています。
今年一番の寒さ
滝行を実施した日は、この冬一番の強烈な寒気が流入していて、滝付近では最低気温-12℃、滝行実施の12時頃でも-6℃が予報されていました。数日前から真冬日が続いていました。
駐車場で-4.4℃
駐車場で服を脱いで、褌と鉢巻姿になってから滝に向かうのですが、ここで-4.4℃でした。裸には厳しい寒さですが、風が殆どなかったので、不思議と耐えられないほどの厳しい寒さは感じません。
滝前では-7℃
滝前の気温は-7℃まで下がっていました。良く天気予報で冷蔵庫に入ったような寒さと言いますが、ほぼ冷凍庫並み、パーシャル冷凍より低い温度です。この寒さの中で滝に入るのは初体験でした。
水温は2.9℃
この滝は原水となっている湧水の温度が高いためか、水温が2.9℃とそこまで冷たくなく、これが多少は救いでした。
堂々とした滝
5分ほど酷寒の中を歩いた後出会った滝は、真冬とは思えないほどの水量を持った堂々とした滝でした。両サイドは長くて幅広い氷柱で飾られています。
勇者たち
この日の滝行に参加した人は、この7人と女性のインストラクターの合計8名、男6名女2名でした。1名を除いて冬にこの滝に入ったのが初めてではないという猛者揃い。残りの1名も氷柱の下がる滝に30分入り続ける事ができるという猛者です。この滝行ツアーは湘南修験の会の主催ですが、内容があまりに過酷なため、一般募集はしておらず、この人なら大丈夫そうというリピート参加の方に声がかかるというシステムになっておりました。
いざ入滝
船漕ぎ、九字切りと一連の儀式を済ませると、皆一斉に滝に入ってゆきます。さすがの勇者たち、ここに来て躊躇するような人は一人もいません。
浅間大滝は滝の高さは10m程なのですが、水量が多く、滝壺ではまだ水が前に向かって落ちているので、身体が前に押し出されないように踏ん張りながら入らないと水の勢いに押し出されてしまいます。
水から出たり入ったりを繰り返し、
落ちてくる水を眺めたりしながら滝に打たれました。
段々と、竹の杖にしがみつくことしかできなくなってきます。でも滝の流れも強弱がありますので、弱くなった時に息をついて、また強い流れに備えるようにすることで、何とか入り切ることが出来ました。写真のタイムスタンプを見たところ、入滝から出るまで5分ほどだったようです。
濡れた身体が凍る
滝から出ると、身体が冷え切って震えが出てきますが、頑張って5分の道を歩いて駐車場まで戻ります。この間、濡れた身体が-7℃の風に冷やされてどんどん凍ってゆきます。最初の髪の毛と鉢巻、そのうち軍手と褌まで凍ってしまいました。身体の上についた雫は流石に凍っていませんでしたが、身体の雫まで凍るようになってしまったら、凍傷になっていたかもしれません。
もう少しで駐車場に戻れるという所まで来たら、すこし身体と気持ちに余裕が出てきたので、降り積もった新雪の上を転げ回って遊んでみたりしましたが、この時点で手が言うことを効かなくなっていて、カメラのシャッター操作が出来なくなっていたので、残念ながら、この時点の写真や動画はありません。
人の身体は案外と丈夫でした
滝行前は温度計の数字を見てビビっていたのですが、いざ入ってみると、何とか入り切ることが出来、また、-4℃~-7℃の中40分間褌一丁の裸で、かつ滝に入った後15分は濡れた身体を氷点下の中晒していても、風邪一つひかずに帰ってこれましたので、人間の身体は案外と丈夫なのだと再認識しました。長時間低気温・低水温に身体を晒していたため若干低体温となり、30分ぐらいは震えが止まりませんでしたが、震えが収まった後は身体の芯から体温が迸る感覚になって、頭の先から足先まで、温かい体温を感じて、多幸感に浸ることが出来ました。何かしらの脳内麻薬が出ていたのではないかと思います。
滝に入っている間の無我の境地に入り込みそうな感じも好きですが、この滝行後の体温が戻ってくる感覚も滝行の醍醐味だと思います。そして、この感覚はやはり真冬の厳しい環境での滝行でしか味わえません。
あえて寒い時期に寒い滝に身体を晒すのはこの感じを味わいたいからなのだと思いました。
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